大田市 琴ヶ浜の盆踊り 「願成就」を舞台で踊ります

琴ヶ浜の盆踊り
 琴ヶ浜の盆踊りは大田市の無形民俗文化財にも指定されている歴史のある盆踊りです。昭和の一時期には臨時列車が出て、浜で何千人もの老若男女が3日間夜を徹して踊ったといいます。夢のような話です。今回の『琴の鳴る浜』ではこの盆踊りを劇中に取り入れました。子供や村人など30人ばかりが舞台で口説きと太鼓に合わせて踊ります。主人公の「お琴さん」が村に溶けこんで一緒に楽しく踊るという場面です。

 先日舞台で踊りの稽古をしました。馬路から保存会副会長の松井東司彦さんと4人の女性の踊りのプロにも参加していただき指導をうけました。本番でも馬路の山根さん、吉本さん、横田さん、松浦さんには出演していただきます。


 盆踊りの歌は琴ヶ浜盆踊り保存会の会長、渡辺康徳さんが歌っておられます。とても上手です。

 この貴重な盆踊りを記録に残すためにDVDが出来ました。大田市文化協会の副会長で写真ではプロの腕前を持っておられる石賀了さんが昨年夏に撮影して編集されました。手元に持っていますが58分の中にとてもうまく紹介されています。楽譜も出てくるのは素敵です。歌っておられるのは渡辺さんです。

舞台風景
 写真は練習風景です。風景ですから顔は風景に埋没させています。合唱団はこの倍になる予定です。60~70人です。大田市少年少女合唱団や大田高校合唱部も出演します。

琴ヶ浜の盆踊り「願成就」(やっちょこ)
 さぁやりかけましょうや(アドッコイ ドッコイ)
 今の音頭の名人さまは(サーヤーハートナ ヤーハートナ)
 名人さまは (アドッコイ ドッコイ)
誰かどなたかわしゃ知らねども(サーヤーハートナ ヤーハートナ)
 わしゃ知らねども(アドッコイ ドッコイ)
声はよい声細谷川の 細谷川の(サーヤーハートナ ヤーハートナ)
細谷川の(アドッコイ ドッコイ)
  (以下省略)

 琴ヶ浜の盆踊りは、一時は臨時列車も出て2キロの浜辺で何千人もの踊りの輪ができたほど島根県一の規模が大きい盆踊りでした。この劇で歌われる願成就には次のような言い伝えがあります。

 馬路の南にそびえる打歌山(今の高山約五百㍍)の山頂には乙見神社があり大国主命を祭っていました。(城上神社もこの山頂にあり大内氏が1434年に大森へ遷座した)この神社が火災にあったとき南山腹にある湯里村の農民がご神体を救い出しました。その農民に、「願うことがあれば必ず願成就せしめん」とお告げがありました。干ばつで苦しんでいたので「雨を降らしてください」と願うとたちどころに大雨が降り、農民たちは歓喜して踊りました。

 その踊りが盆踊りの起源になったというのです。約300年以上も前のことだと伝わっています。

 この劇の舞台は約800年前の鎌倉初期で、盆踊りと時代的に合致はしませんが、時間より演劇的効果を優先しました。800年前の踊りだと考えてもおかしくないほど素朴で自然な踊りです。

投稿者:

suhama

1940年、島根県邑智郡邑南町下亀谷生まれ・現在、大田市久利町行恒397在住・早稲田大学教育学部英語英文科卒・邇摩高校、川本高校、大田高校で演劇部を担当、ほぼ毎年創作脚本を執筆。県大会20回、中国大会10回出場(創作脚本賞3度受賞)主な作品「廃校式まで」「それぞれの夏」「母のおくりもの」「星空の卒業式」「僕たちの戦争」「峠の食堂」「また夏がきて」「琴の鳴る浜」「石見銀山旅日記」「吉川経家最後の手紙」「父の宝もの」など。 著作:「洲浜昌三脚本集」(門土社)、「劇作百花」(2,3巻門土社) 詩集「キャンパスの木陰へ」「ひばりよ大地で休め」など。 「邇摩高校60年誌」「川本高校70年誌」「人物しまね文学館」など共著 所属・役職など: 「石見詩人」同人、「島根文藝」会員、大田市演劇サークル劇研「空」代表、島根県文芸協会理事、大田市体育・公園・文化事業団理事、 全国高校演劇協議会顧問、日本劇作家協会会員、季刊「高校演劇」同人、日本詩人クラブ会員、中四国詩人会理事、島根県詩人連合理事長、大田市文化協会理事

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