R5,大田市勤労青少年ホーム、働く女性の家ホールの共通点

有志の皆さんの熱意でサンレディーのホール備蓄倉庫計画に反対の署名が9747筆集まり、5月9日に市議会議長に請願書に添えて提出されたことは新聞でも報道されました。6月~9月に議会閉会中審査という形で審議されるそうです。どうなるかは分かりませんが、9747筆という署名には重みがあります。

今回の問題で、担当の産業企画課と参加者の質疑応答(私も数回質問しましたが)を聞き、両者の間には基本的な点で齟齬があるのを感じてきました。同じような問題に11年前に直面しましたので、参考までに感想を書いてみます。

簡単に結論を書けば、管轄の問題ですー
・社会教育や芸術文化行政を管轄するのは教育委員会です。
・地域の産業や労働、雇用問題を管轄するのは産業振興部(産業企画課)です。
★働く女性の家・サンレディーを管轄しているのは産業振興部。30年前に政府の設立目的に賛同して補助金を受け、「働く女性の家」を設立しました。ホールは請願を受けて特別に建設。(この規模の立派な多目的ホールが併設された例はほとんどない)しかし現状は女性専有ではなく一般市民の音楽、合唱、舞踊、演劇、展示、講演、集会など芸術文化関係のために使われています。しかし管轄は産業振興部です。大田勤労青少年ホームの例と酷似しています。

大田市民会館の隣に、鉄筋3階建ての勤労青少年ホームがありました。国の補助金を受けて昭和47(1972)開設され、産業振興部の管轄でした。その設立目的のポイントは、「勤労青尐年の福祉に関する事業を総合的に行うことを目的とする施設」です。青少年とは15~35歳を想定していました。三階は広い集会室で多くの団体が使用しました。しかし時代と共に全国的に青少年はあまり使わなくなり当初の趣旨に反して一般市民が主に使用。老朽化などもあり全国的に廃止される例が多くなしました。大田の青少年ホームも同様ですが、耐震化の問題もありました。

勤労青少年ホームは多くの団体が利用していました。
(17団体:ラージボール卓球クラブ44人、ウンドオーケストラ58、劇研「空」15,フォークダンスサークル21,ダンス同好会16,手話サークル10,女性コーラス「花音」31,卓球クラブ10,ラウンドダンスの会6,ジュニアーミュージカル「風花」25,尺八「愁山会」、大田青年会議所31,大田市青年協議会85人、これ以外に次の団体も会には出席されました。音楽協会、合唱連盟、名画シアター、アマチュアーバンド、石見銀山天領太鼓、大田高吹奏楽部、第一中学校吹奏楽部、小中連合音楽会、表現ダンス発表会、石見銀山神楽連盟、市老人クラブ、小笠原流石見支部、池坊石東支部)
定期的に利用者会があり年末には懇親会も開かれていました。

市から廃止解体方針がでると利用者代表と産業企画課、複数の市会議員などとの会合が数回開かれ市長交渉も行われました。最大の問題は、利用17団体の次の集会場所探しでした。
最終的には場所が提案され決着し、40年使用された建物は平成22年(2010)解体されましたが、場所が遠くなったり不便だったり問題も多々ありましたが、高い次元での総合的な芸術文化政策の必要性を痛感しました。

この時点で、ほぼ同時に市民会館の耐震問題が持ち上がりました。市民会館は、社会教育や芸術文化を管轄する大田市教育委員会です、会館は2年間閉鎖されることになり教育委員会は県の文化振興課と協力して「大田市の芸術・文化振興について」文化団体や関係者を対象に何度も説明会や検討会を開き、中央から専門講師も呼んで「文化プロデユーサー養成講座」を何度も開催しました。市民からアンケートも取り、立派な「大田市芸術文化振興計画第二期-2018ー2027」も刊行されています。
(次の2冊のファイルこのときの資料です)

産業企画課と教育委員会ーそれぞれ独自の管轄分野や目標があります。単独ではなく高い次元で総合的に判断する視点が必要です。それは何処か誰か・・さあ、どうする・・。

大田市役所も移転予定。日々、駅東側の小山が崩されています。現市役所は解体して更地にするのか。一部でも残して何かに利用するのか。新しい市役所に市民が利用できる200名程度の舞台付き多目的集会室はできないか。パルの跡地はどうなるのか。大田ふれあい会館はパストラルの跡地に新築予定とか。ならば現在のサンレディーと共にホールも活用できないか。大田まちつくりセンター、中央公民館(まだ名前はそのまま?)文化協会事務局の場所・・・これらはどのようにするのか。

ホールの備蓄倉庫案は12月に急に出てきた計画です。1,2年くらい時間をかけて大田のホール問題、文化芸術活動場所問題を検討してもらったらどうでしょう。備蓄倉庫に決定されるにしても、同時に建設的で総合的な計画が提示されないと署名をした人たちの気持ちは燻り続けることでしょう。上の写真は解体を終えた勤労青少年ホームです。40年間、おつかれさまでした。ここまで書くのもつかれました。おつかれさまでした。
(ブログ:stagebox 詩の散歩道 地域情報 20230517洲浜)

R5,勝部義夫さん ありがとうございました(合掌) 

久しぶりに晴れ渡った爽やかな新緑の5月9日、劇研「空」の皆さんの代表も兼ねて、羽根町の長福寺へ最後のお別れに行ってきました。家族の皆様へ、「いろいろお世話になりました。ありがとうございました」と言うのが精一杯でした。懐かしい遺影に手を合わせ、ご冥福をお祈りしました。

1934年3月19日生まれ、大田高校演劇部で活躍、日大芸術学部映画科学入学と同時に帝国劇場研究生、翌年正式に団員になり1955年東宝専属の俳優として活躍、1976年までに327本の映画に出演されました。島根に帰られてからは、大田の文化活動に献身されました。大田市文化協会会長、島根映画祭を設立し実行委員長も務められました。業績は数々あります。
12/3 勝部義夫氏文化賞受賞祝賀会 – Stagebox

一緒に舞台も創りました。石見銀山を素材にした創作構成劇「鶴」、創作音楽劇「琴の鳴る浜」等々。話していると映画の巨匠・黒澤明監督や長谷川一夫、森繁久彌などとの会話やエピソードが自然に出て来て、興味津々でした。出演された映画などの記録映像を数年前に僕に託されました。いつか追悼記念会を開いて多くの人に観てもらいたいものです。
勝部義夫さんへ山陰中央新報地域開発文化賞 – Stagebox

このブログ(stagebox)で、3回ほど勝部さんの受賞や活動などを紹介していました。ファンだったという全国の人たちからメールがきたこともあります。今回のご逝去を知った人たちが、劇研「空」のブログを検索しておられます。ここにペイストしておきましたので、興味がある人は開いてみてください。
12/15 創作音楽劇『琴の鳴る浜』結団式が終わりました – Stagebox

澄み通った空のもと、ゆっくり車で帰りながら、勝部さんが地域文化のために力を注がれた苦労と実績、そして後の人たちに託された思いを、しみじみ噛み締めました。ありがとうございました。どうか安らかにお眠りください。
(ブログ:劇研「空」昌ちゃんの演劇だより 20230509洲浜)

R5, 演劇の照明設備苦労 昔話し ~ホールが倉庫に~

昨年12月13日、新聞の大きな見出しで「サンレディを防災拠点に」「大田市 公共施設の機能移転」とあり、「ふれあいホール」について、次のように書かれていました。
音響や空調が耐用年数を過ぎたホールは備蓄倉庫として使い、~略~」。
予想を越えた決定に驚くと同時に、モッタイナイ、と思いました。劇や音楽など、あらゆるイベントに使用できるホールで照明や音響施設も揃っています。集会室に転用するならまだしも、倉庫になれば、荷物置き場以外には使えません、何年もの間。
(ふれあいホールのシーリングとサイドスポット。天井一面に、たくさん釣り込んであるのは各種イベントに対応するため)

4月20日発行の「市議会だより」が回覧でまわり、和田議員の質問に対して次のような答弁が載っています。
「~略~ふれあいホールについては、設備の大部分が耐用年数を超過しているため、利用者に安心して利用を続けていただける状況にはなく、設備の改修や入替えにも多額の費用がかかることが見込まれる」。
要約なので具体的な耐用年数や費用は不明ですが、とても大雑把です。実情を知らない人がほとんどですから、そうなんだ、と思うでしょう。音響照明設備が果たして。「耐用年数が超過し入替えに多額の費用がかかるのでしょうか。

(次の2枚の写真は一般的なホールの調光卓と音響卓です。サンレディーの調光卓は3KW、90回路、市民会館は184回路あります。現在は簡易な移動式の調光卓もあります)

音響施設については、ワイヤレスマイク以外は前回更新され、まだ新しいのです。色々調査研究した上で業者と交渉し安くて良いものを選んで購入したと、担当者から聞いています。音響設備に関しても、単なる音が大きいスピーカーではなく、声が後の席まできれいに通るように生声を増幅できる音響設備を導入しておられます。実際に関わったものでないとわかりません。

さて、ここから、モッタイナイが生まれる昔話です。
高校演劇は戦後、体育館や会館などで発表されていましたが、どこでも照明に苦労しました。設備がない上に器具購入には経費がかかります。昭和46年頃、邇摩高では、ライトをスライダックで調光していました。アッパーホリゾントライト、ロウワーホリゾントライトなど無く、数台のスポットライトだけでした。特に欲しかったのは、シーリングライトです。前明かりがないと顔が見えず、上からのスポットライトだけでは顔に影ができます。体育館の天井へ滑車でバーを釣り照明器具を釣るようにしました。

(邇摩高校のステージの上にある放送室に収納されていた照明器具。50年近く前の器具もある。部品を更新すれば使用できる)

物理専門で電気に詳しい中村先生と工夫し、毎年少しずつ生徒会予算で購入していきました。最新の12回路調光卓が欲しくて、分割払い戻しにして二人で金を出して購入したこともあります。大田で昭和48年に旗揚げをした劇団「青空」がありました。大田市民会館で公演していましたが、当時は市民会館の照明器具も貧弱そのもの、邇摩高校から照明器具を貸し出したこともありました。当時邇摩高の照明施設は県下の高校では最先端でした。

昭和54年に川本高へ転任しましたが、国体前に新築されたばかりの立派な体育館には照明設備はありませんでした。(旧体育館の照明器具が少し倉庫にありましたが)幸い国体も控え関係者の理解もあって、一度に照明器具を購入し設置することができました。大きな体育館天井にシーリングも設置して頂きました。

昭和59年(1984)、大田高校へ転任したとき、シーリングもホリゾントライトもなく、数台のDFをスライダックで調光していました。体育館の暗幕もあちこち破れていて、文化祭前にはいつも生徒会役員が徹夜で暗幕を整備していました。当時は生徒数も多かったので要求すると生徒会予算やPTA予算で年度ごとに暗幕も照明器具も新設することができました。

その体育館が解体される時、照明器具は邪魔になり、捨てるのはモッタイナイので、演劇部卒業生と一緒に2日間、設置した照明器具を下ろしてまとめました。収納場所がないので、個人宅を含め5箇所に仮収納しました。まだ使用できるので新しい体育館ができたら使ってもらうつもりでした。・・・しかし新しい体育館ができても、再利用したいという声はありませんでした。モッタイナイので、数年後にある人の了解を得て会社の倉庫へたくさん照明器具を車で運びました。

今でこそ照明音響設備が完備し専門のスタッフが常駐している会館のホールは何処にでもあります。高価で貴重な照明器具が耐用年数が過ぎたという理由で廃棄される話を聞くと、思わず「モッタイナイ」という気持ちが湧いてきます。照明器具などの耐用年数は〇○年、と決まっているものではありません。一般的には10年とか15年と言われていますが、丁寧に使用している場合や、部品を更新して使用している場合には、それ以上使用しているホールもあります。

平成25年(1950)に邇摩高が創立110年記念を迎えたとき、劇研「空」は依頼されて創作劇「石見銀山旅日記」を体育館で上演しました。要の会、大田小唄保存会の皆さんにも出演して頂きました。そのとき、体育館の放送室などに、50年くらい前に購入した照明器具や調光卓が仕舞ってありました。50年ぶりに対面でした。その器具は設置が無理なので、予定外の出費でしたが、出雲の文化企画から来て照明器具などを設置して頂きました。下の写真は邇摩高校体育館、「石見銀山旅日記」のいち場面です。

以上、今は昔 涙なしに語れる照明器具の苦労昔話、それぽっちり。おつかれさまでした。
(ブログ:地域情報 昌ちゃんの演劇だより 劇研「空」活動報告 高校演劇 20230502洲浜)

R5,「しまね文芸フェスタ2023」は大田市で開催予定(9/17)

松江で島根県文芸協会理事会が3月7日に開催され、今年度の事業報告、決算、来年度の事業計画、予算案を審議しましたので、お知らせします。予定に組み込んでおいてください。

来年度の文芸フェスタは9月17日、大田市の「あすてらす」で開催予定です。担当は短歌部門、講師は永田和宏先生の予定です。先生には平成31年に松江で「短詩型における家庭と時間」というタイトルで講演して頂きました。感銘を受け、今でもよく覚えています。楽しみにしている人も多いことでしょう。

前回、文芸フェスタを大田で開催したのは2014年、矢崎節夫先生に「みんなちがって みんないい」という題で講演して頂きました。先生は金子みすゞ研究の第一人者。貴重な話を聞きました。その時の写真です。

島根県文芸協会は俳句、短歌、川柳、詩、散文の5部門で構成され、2つの行事を開催しています。県民文化祭の一環である「しまね文芸フェスタ」の開催と、文芸作品を公募表彰、「しまね文芸」の発行です。県文芸協会の発足は昭和47年(1972年)ですから半世紀に渡る長い歴史があります。

令和4年度は県民会館中ホールで開催しました。コロナ禍でもあり、観客も限られていましたが、今年の9月はどうでしょうか。
ついでに令和4年度の開会式の様子を紹介します。

午前中は開会式と講演、午後は会場を別々にして分科会です。
(ブログ:詩の散歩道 しまね文芸フェスタ 島根県詩人連合20230322洲浜)

 

 

R5,節分に鬼の詩2篇「鬼だぞ!」「がんばれ 豆戦士!」 

2月3日、今日は節分です。子供たちを見ていて、ふと浮かんだ状況を書いた短詩2篇を、立春に当たり、紹介しましょう。

鬼だぞ !              洲浜昌三

「ウオー ウオー 悪い子は どこじゃー」

生まれて初めて迎えた一歳の節分
真っ赤な顔の鬼が 部屋へ入ってきた
裂けた口 吊り上がった目 尖った角
「鬼 だぞー」

一人で人形と遊んでいたユーちゃんは
急に ニコニコ笑って 大喜び

顔をユーちゃんの目の前に近づけて
声を太く低く ドスをきかせ
「ほんとうの鬼だぞ !」

「フフフフフフフフフフ」
目を二つの弓にして笑うユーちゃん

鬼の父さん 作戦大失敗
すごすごと退散したあと
ユーちゃんが何か言った気がする

「メン ガ ナイ ホウガ コワイヨ」

次は、保育園の先生の指導で、子どもたちは毎日「豆の歌」を練習し、本番に備えました。いざ節分の日到来。二匹の鬼が入ってきました。

  がんばれ  まめ戦士    洲 浜 昌 三

「さあ 元気よく歌いながら豆をまいて
オニを退治しましょうね
もう一度大きな声で練習しましょう」 

          おには そと ふくはうち 
          ぱらっ ぱらっ ぱらっ ぱら まめのおと 
          おには こっそり にげていく ※

頭に白い鉢巻きをキリリと締め 
ふるさとを守る戦士のように目を輝かして
幼い子どもたちは声を張り上げる

          ウオー オニダゾ ワルイコハ タベルゾ
          ギヤオー アカオニダゾ ナキムシハ ドコダ

二ひきの鬼が飛び出してくると
戦陣はたちまち総崩れ
真っ先に逃げていく男性戦士 
恐怖でその場にうずくまる女性戦士
一歩も退かず勇敢に立ち向かう数名の豆戦士
悲鳴や泣き声が戦場に響きわたる

さあ 子どもたちよ
あの歌を歌うんだ! 
みんな一緒に 大きな声で
何度も練習したじゃないか!

※童謡「豆のうた」より

子どもたちを見ていると、ふと浮かんでくるものがあります。そんな情景を詩形式で書いたものがたくさんあります。いつか冊子にまとめてみたいと思いますが、いつか、いつか、どっちが先に現実になるかわかりませんね。
(ブログ:詩の散歩道 詩作品紹介 20230203洲浜)

R5,詩集「春の残像」書評「石見から世界と心を見つめる」佐相憲一(「コールサック」97号)

詩集「春の残像」(洲浜昌三著)は2018年12月の出版で、編集を担当して頂いた佐相憲一さんは「コールサック」97号へ書評を執筆されました。身に余る心の籠もった書評です。行間や言葉の背後から目指すべき指針が見えてきます。
この書評を他の手段でも公表させて頂く許可は頂いていたのですが、そのままになっていました。読んでみたいとい声もあり、ここで紹介させて頂きます。
出版後にはたくさん感想や書評を頂き、感謝しています。まだ整理しきれていませんが、貴重な声を大切にまとめて置きたいと思っています。この詩集は「22世紀アート」から電子書籍、Kindle版にもなっています。実験的に試みてみましたが、現実をしっかり学ぶことができました。佐相さん、ありがとうございました。
またいつか西の果て石見大田でカンパーイできればいいですね。
(ブログ:詩の散歩道 本の紹介 20230123洲浜)

R5,サンレディー大田「ふれあいホール」災害備蓄倉庫案について

大田市の公共施設見直しが進んでいます。7箇所あった公民館は27地域の「まちづくりセンター」に機能が移転されました。現在最終段階にあるのは、サンレディー大田、おおだふれあい会館、大田まちつくりセンターの問題です。昨年12月24日に「大田市働く女性の家を考える会」から、利用者会議開催の案内が劇研「空」代表にきました。40名近い出席者がありました。
活発な意見が交わされました。ホールは災害備蓄倉庫に転用するという想像外の計画でした。高校演劇や劇研「空」などで過去に14回ホールを使用しましたが、このホールの特徴などまとめてみました。ついでに舞台写真などの一部を紹介します。

(平成16年劇研「空」第2回創作劇公演「また夏が来て」大田高演劇部員とのコラボでした。冒頭の写真は夜のサンレディ)
 (上の写真 大田なかよし学級の発表会。石見銀山の脚本を頼まれて書きました。みなさん熱心に発表され感動的でした)
(平成27年大田高瓶陵会総会、創作劇「石見銀山旅日記」大畑さん夫妻の演奏や和樹さんの歌、民謡、プロの福原美佳さんの講談など多彩な舞台でした)

サンレディー大田は1992年(平成4)に開館。今年で30年経過。ふれあいホールも併設され、設備が整い客席が格納できる多目的ホールなので、展示、集会、研修、軽運動、部活動、舞台発表、各種イベントなど多様な利用が可能な大変便利のいい中規模のホールです。

客席の定員は約546人とても便利な移動観覧席。全席格納できるので、広い平土間になり、いろいろなイベントに使えます。
舞台は、緞帳はありませんが、間口10,5m、奥行き6,7m、花道、第4バトンまであり、照明設備、照明器具、音響映像設備、平台24、箱足70、ピアノ、展示パネル70枚等々、必要なものはほとんど揃っています。
(「一日限りの相生座」音楽、劇、舞踊、語りなど市内の多くの団体や個人が参加した楽しい舞台でした。満員御礼)

その上に、音響、照明のベテラン職員が二人いるのは大ホール並で、大変恵まれています。山陰地方でも最近新築された中ホールは電動式客席移動形式が多い。多くの市民に多種多様な使い方をしてもらいたいからです。30年前に大田市で、このホールができたとは先見の明があったといえます。当時の文化協会会長、勝部義夫さんはプロの演劇、映画人でしたが、「何度も要求したが緞帳だけは作ってもらえなかった」と言われたのを覚えています。ホール建設などではベテラン専門家の意見が最優先です。
しかし大田市の公共施設見直しが進み、このホールについては次のような計画が実施に移されつつあります。

大田市の検討結果:「ホールは、音響や空調が耐用年数を過ぎ、災害用備蓄倉庫として使う。ホアイエや舞台部分には市役所分庁舎のうち情報企画課を移転する。2026年度利用開始を見込んでいる」(新聞や市の資料より)
(写真の向こう側が、ふれあいホール、手前の建物がサンレディー大田(ここは大田まちつくりセンターになる)、その手前に農林福祉会館(パストラル)があったが解体された。その跡地におおだふれあい会館を建設し、おおだ人権センターとする。案です。)

1月15日3時から、話し合いが計画されています。このホールを使用してきた文化、芸術、音楽、演劇団体などは今後どのようにすればいいのか・・・肝心なこのことが不明です。市内にはホールがたくさんある、と書かれていましたが、それぞれ規模や機能は違います。建物だけの問題ではなく内部の施設や機能が重要です。
このホールで上演したり関係した14の舞台発表をPDFで紹介します。必要なら参考にしてください。
2022,01, 資料 「サンレディーふれあいホール」の災害備蓄倉庫案について・過去の上演12回 jtd
(ブログ:劇研「空」地域情報 お知らせ 20230111すはま)

R4,令和4年 石見で出版され本など

令和4年もあと5時間ほどで幕を閉じます。劇研「空」は市民会館の「朗読を楽しむ」講座を10数回、1010月1日に第11回「朗読を楽しむ」を開催しました。ささやかな活動ですが、今後どうするか模索中です。

「地域の歴史、文化の発掘と再創造・舞台化」を目標の一つにしている劇研「空」ですが、関係する書物を色々と拝読しました。主なものを紹介します。それぞれ読み応えのある本です。一冊ずつ解説したいところですが、簡単に写真を中心に紹介します。まず大田で出版された本です。「石見銀山研究」2号、資料が大いに役立ちます。「鴨山 私考」(渡邉捷弘著)は石見における柿本人麻呂について過去の説を紹介しつつ私見を述べたもので参考になります。「過疎再生」(松場登美著)は石見銀山生活文化研究所長の松場さんの実体験を書かれたもので、現在注目されているの大森の「人と暮らし」の様子がよくわかります。自然な姿勢に感銘を受けます。「穏日晴朗」は大森へ移住されたプロの写真家・藤井保さんの写真と佐々木寿信さんの短歌などを掲載した味のある本です。「石見銀山物語」(長尾英明著)は、石見銀山ガイドの会で長年活躍中の著者が、その経験から過去の研究や資料を端的にまとめ、石見銀山のことが総合的によく分かるように書かれた本で最新の情報なども豊富です。次は石見地方で出版された出版された本と石見に関係する本です。「日本の田舎を元気にする」、寺本さんは現在全国を相手に大活躍中です。同じ邑智郡の邑南町出身です。共感することが大いにあり、期待しています。「石見の山城」(高屋茂男著)、石見地方のほとんどの城を実際に登って調査し書かれた最新の城情報満載です。
皆さんの活動が具体的に書物になるのはとても貴重ですし、ありがたいことです。大いに参考にさせて頂きます。
(ブログ:劇研「空」詩の散歩道 本の紹介 地域情報20221231洲浜)

R4,「山陰文藝」56号、ー多彩な力作ー

11月1日、「山陰文藝」56号が発行されました。5月、11月、年2回の発行を編集長の額さんは厳守。熱心に作品を集め編集されています。今号は充実した作品も多く、感動した作品も多数あり、読み応えのある充実した号になっています。県内では最も会員が多い伝統のある総合文芸同人誌です。
この号から大田の渡邉さんは短歌と詩、加藤さんはエッセイで参加され個性的で味のある作品を寄せられました。「布都外伝(5)」という題で古代出雲のを舞台にした意欲的な連載小説を書いておられる沢村俊介さんも大田の出身です。「松江藩主 松平斉貴」を書かれた内藤丈二さんの作品はよく調査して書かれた貴重な記録です。短編小説が今回多いのですが、胸を打つ感動的な作品にもたくさん出会いました。

石見地方を舞台にして、詩を小説の中には取り入れ、ユーモアーも生かして生きる喜びや哀しみを描こうとした「坂の上の家」(洲浜作)の出だしの部分を紹介しましょう。
同人会員を募集しています。興味のある人はどうぞ。大歓迎です。生きてきた「喜び苦しみ哀しみ」を文芸という形で記録するのも意義のあることと思います。
「山陰文藝」会員募集についてIMG_20221219_0001

県内の主な書店には、置いてあるはずです(定価1000円)。大田市中央図書館には、古いナンバーが数冊しかありませんでしたが、取り寄せて50号から最近のものを寄贈する予定です。
次号の〆切は2月末です。1月には総会も予定されています。
(ブログ:詩の散歩道 詩集や本の紹介  20221219洲浜)

R4,「島根文芸」55号発行と入選者表彰式

12月10日(土)、松江で今年度の「島根文芸」入選者表彰式が行われました。県民文化祭の文芸部門で毎年俳句、単価、川柳、詩、散文の作品を募集。入選作品を掲載した「島根文芸」も55号になりました。ジュニアー部門の作品集も刊行されました。市町村の図書館や学校には寄贈しています。購入したい人は、県の文化振興室へ問い合あせてください。表紙は県総合美術展で知事賞を受賞された田中作夫さんの写真です。ステキですね。
​写真は詩部門の入賞者表彰です。久しぶりに高校生の新鮮ないい作品が入選しました。高校では高文連の文芸部門で毎年募集し「作品集」を発行しています。いい作品が毎年あります。この島根文芸にも応募してほしい。午後は分科会を開き、詩部門では川辺さんと僕が出席、入選されたみなさんと率直な感想を述べて有意義な時間を持ちました。自分の作品がどのように読まれたかを知るこの会はとても貴重な機会です。今年の応募者は少なかったので、来年はぜひもっと多くの人達の応募を期待しています。
(ブログ:詩の散歩道 本の紹介 県民文化祭 20221217洲浜)