「島根文芸フェスタなど」カテゴリーアーカイブ

H26 「しまね文芸フェスタ」は大田市で

2014年3月27日、松江で平成26年度島根県民文化祭文芸部門第2回運営委員会が開かれました。俳句、短歌、川柳、詩、散文部門から代表者が出席して、25年度の反省、決算、26年度の予算、事業計画を話し会いました。

「しまね文芸フェスタ2014」は9月28日(日)大田市の「あすてらす」で開催することが決まりました。担当部門は川柳で、会長は竹治ちかしさん、副会長は長谷川博子さんです。

講師は矢崎節夫先生。児童文学作家、童謡誌人、金子みすゞの研究家として有名な先生です。以前大田のサンレディで講演され、聞きに行ったことがあります。

劇研「空」も以前、「朗読を楽しむ」で金子みすゞの詩の朗読、歌を取り上げ、市民会館中ホールで披露したことがあります。大田で開かれますので、現地の実行委員会も作られます。また講師歓迎の前夜祭もある予定です。竹治さんは大田の出身ですから、いろいろ好都合です。関係者のみなさん、そのつもりで予定に組んでおいてください。

 

 

H25 『島根文芸』入選者表彰式 松江で

2013年度の島根県民文化祭の一環として行われた文芸作品公募の作品集が発行され、入選者の表彰式が12月15日、松江市で行われました。県の関係者、詩、俳句、短歌、川柳、散文部門の代表、選考者をはじめ入選者とその家族など100人以上の人たちが参加しました。

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上の写真は入選作品集です。昨年から中学生以下を対象にしたジュニア-の部の作品集は別冊で発行されるようになりました。この本の購入を希望する人は次のところへ問い合わせてみてください。在庫があれば本代だけならは1000円です。文化国際課文化振興室(0852-22-5877)

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上の写真は詩部門の入選者です。銅賞以下は入選作品として数名の人の作品が本には掲載されています。DSC05275DSC05276

全体の表彰式の後で、例年のとおり分科会が開かれ、参加者と作品を鑑賞しました。詩部門では撰者の閤田真太郎、山城健、岩田英作さん3人と詩人連合事務局長の川辺真さん、理事長の洲浜昌三が出席しました。最初に作者が作品を朗読し、お互いに感想などを述べ合いました。

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ジュニア大賞の出雲市佐香小学校の南場知揮君の「魚の目」も、南場萌花さんの「みんな私の父さん」はとてもいい作品で、みんなが感心しました。紹介すればいいのですが・・・・また時間があるときいつかどこかで・・・。

この佐香小学校へ読み聞かせ(朝15分)にいっておられる川柳の金築雨学さんも参加され、ひと言指導のいったんを述べていただきました。「ほめられようと思って書かない」「飾らない本当の自分を書く」「見たこと、事実を感性でとらえて表現する」ことを目標にして書かせられたそうです。もちろん川柳も指導しておられ、今回の本にも多くの児童が入選しています。

後日、金築さんから冊子が届きました。紹介します。
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18ページの冊子ですが、子供たちの川柳や詩がたくさん載っています。ここに源泉あり!!ですね。すごいことをしておられます。以前詩では、益田の石見詩人、田原先生の児童詩{蟻}、浜田でも長い間、小中学生の詩や短歌など公募して冊子にして発行していました。

いまはゼロになりました。どうにかしたいところですね。

H25 しまね文芸フェスタで 安原 葉先生講演

9月23日、出雲市のビッグハートで「しまね文芸フェスタ2013」が開かれました。開会式では出雲市長も挨拶されました。今年度は俳句が担当になっていて月森遊子さんが会長として挨拶されました。

講演は「ホトトギス」同人の会長・安原 葉先生。「花鳥諷詠のこころ」と題してとてもいい話をされました。1932年生まれですが背筋は伸びシャキッとしておられます。虚子などを実際にご存知なので、エピソードの中身も濃厚で貴重な歴史が含まれています。「虚子は寡黙な人でしたが、人の心を見据えるような力を感じた」そうです。H25 安原 葉先生

花鳥諷詠は単なる自然を読むことではなくもっと深いものがある。「虚子が晩年によく説いた存問とは、相手の心を深く察し、謙虚に素直に相手との心を通わせる心持ちが込められている。自身との存問、人との存問、自然との存問、宇宙との存問、超自然との存問。その存問の心を持って客観写生の技を磨き、花鳥諷詠を実践するのが俳句の道であることを虚子は示した」と語られました。例にあげられた有名な俳句の解釈はとても深く虚子の宗教観や宇宙観が背後にあることを説かれました。

前日の夜は歓迎会があり、終わって俳句の人たちと二次会へ行き大いに語り楽しい時を過ごしました。

23日の午後は分科会で、詩の参加者は少なかったのですが、京都から有馬矯さん、神戸から永井ますみさん米子の中村さんなども参加され、楽しい詩作詩朗読会になりました。

有馬敲

有馬さんの「せみ」は同じことばのくり返しですが、とても素敵でした。ちょっと誰も真似ができませんね。音をやリズム重視して詩をつくられる有馬さんならでは異色な詩であり朗読でした。一度聞いたら耳から離れません。

永井さん (1)

永井さんの朗読は微妙な音やリズムの変化も表現される力量があり、これまた素敵でした。きっと発声や発音の訓練も積んでおられるのでしょう。詩も深みがありました。島根の詩人の詩もそれぞれ個性的でよかったと思います。
H25 文芸フェスタ 詩

小林さん岩田さん中村さんは都合で帰られました。有馬さん、奥さま、永井さん、中村さん、シライシさん、ありがとうございました。おつかれさまでした。

(一昨日、有馬さんの最新詩集「晩年」を拝受しました。一気に読みました。京都弁の詩、いいですね。抵抗がありません。晩年を迎えた有馬さんのとらわれのない自由な精神が印象に残りました)

9/23 出雲で「しまね文芸フェスタ2013」

2013年のしまね文芸フェスタは出雲市の「ビッグハート出雲」で開催されます。俳句、短歌、川柳、詩、散文の5部門で運営委員会、実行委員会を何度か開いて準備を重ねてきました。今年の担当は俳句部門で会長は月森遊子さんです。講師は「ホトトギス」同人会会長、安原 葉先生。演題は「花鳥諷詠のこころ」。島根にいても、毎年第一線で活躍されている人の講演を聴けるのはありがたいことです。

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前日の夜は例年どおり前夜祭として講師先生の歓迎会があります。ニューウエルシティ出雲、18時からです。

大会当日の午後は分科会です。その内容は次のとおりです。見えにくいけど見たい人は見てください。

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詩の分科会では自作詩の朗読・鑑賞と感想会です。事前に作品を30部事務局へ送るか、当日持参してください。

今年は神戸の永井ますみさん、京都の有馬さん、米子の中村さんが参加される予定です。神戸の宮川さん、白石さんも来られるかもしれません。永井さんは米子の出身で現在神戸で活躍中です。詩も随筆も書かれますが、朗読をビデオに収めてDVDにするために数年前から全国を走り回っておられます。有馬 敲さんもキャリアのある大ベテラン。中村さんは一日一作を課して詩をブログで発表し、過日詩集を出版されました。

こんなに一度に県外の詩人が参加されるのは初めてです。県内の詩人のみなさん、また参加されるみなさん、大いに楽しみにして参加してください。

H24 しまね文芸フェスタ 三枝昴之先生の講演

2012年9月23日、益田市のグラントワで、第10回島根県民文化祭「しまね文芸フェスタ2012」が開催されました。今年は短歌部門が担当、津和野の水津正夫さんが会長で前日の夜には島田屋で講師の三枝先生の歓迎会が開かれました。

グラントワはとても広くゆったりとしています。廊下を歩いてもその広さに圧倒されますし、部屋数の多さにもびっくりします。(大田とクラベルナ!)

中庭です。真ん中に水が張ってあります。回り廊下を歩きながら眺めることができます。中央の高い建物は中ホール。大ホールは左手にありますが、見えません。みな石見の赤瓦が使われています。石見特産のものを誇りを持って堂々と生かす。いいですね。

横道にそれました。前夜祭の写真です。当選されたばかりの山本浩章市長や益田の文化協会会長・中野傅さん市会議員も出席。月森遊子俳句協会会長、竹治ちかし川柳協会会長、洲浜詩人連合理事長、高田賴昌「石見詩人」編集者、川辺真島根県詩人連合事務局長も。散文の池野会長などが別の講師の接待で欠席でした。初めてのことで、ちょっと寂しい会になりました。短歌の加藤さんが講師紹介をされましたが、講師の三枝先生からの挨拶がなかったのも初めてのことでちょっと残念でした。(月森、竹治、洲浜3人が大田人とは、ドウシタコトデショウ)

若いさわやかな山本市長や講師の三枝先生のところへ挨拶に行き、立ち話をしました。先生は早稲田の政経学部卒ですが、教育学部のぼくと「2年間在籍がダブっているかもしれませんね」と言われました。何も知らずに大学のキャッンパスですれ違ったことがあったかもしれません。短歌での先生の経歴や受賞歴は数知れません。日本短歌会の重鎮です。昨年は紫綬褒章を受章しておられます。

さて、23日の三枝先生の講演はとてもいい講演で学ぶことがありました。演題は「短歌、1300年の魅力」深い内容の話しでしたが、筋の建て方も明確で、資料も用意され、とても分かりやすかった。短歌で例をあげて具体的に講演されたのですが、5つに単純化してまとめておきます。

1.短歌は日々の暮らしを詠う日記代わりの詩型である。

2.短歌は独特の力を持った表現である。

3.短歌発生の諸説の一つ、折口信夫の「まれ人信仰」

4.短歌は日本人の感受性の基本を作ってきた。

5.短歌は人生を反映した長距離ランナーの詩型である。

どの講演でもそのすばらしさは、具体例とその説明や講演者独自の感性による解説にありますが、ここでそんなことを書く暇はありません。5本の骨だけです。美味しい肉は想像してください。

ぼくは講演を、詩に置き換えて聞いていました。1や2、5については正に詩にも当てはまります。長い間書いていけば、だらだら日常を書いた日記より、遙かにエッセンスが凝縮した日記になります。日記は私的なもので公表できませんが、詩や短歌なら本にしたり、雑誌に発表し第三者の厳しい目にさらして批評され、さらに高みを目指す動機にもなり、客観性や普遍性を持った文学にもなります。

2についても同様です。短い言葉は長い説明より遙かに力(人の心を動かし感動させる)を持っています。詩の朗読などは短歌よりも力があるでしょう。

講演の中で河野裕子さんの短歌を紹介されました。他界されたそうですが、永田和宏さんが夫で三枝さんの友人だそうです。永田さんの県民会館での講演も素敵でした。

午後は詩の分科会へ出ないといけないのですが、浜田の「石見演劇フェスタ」で上演する『石見銀山旅日記』の初めてのリハと打ち合わせがあり、やむなく浜田へ行きました。

浜田へ行こうと急いでいると、グラントワの廊下で三枝先生にばったり会いました。「とてもいい講演でした。ありがとうございました。講演の中で話された永田先生には数年前に松江で素晴らしい講演を聴かせていただきました」とsuhama said.

益田の駅前が大きく変わっていてびっくりしました。昭和40年から6年間住んでいたのですが、いまは北欧のどこかの街へ行ったかのようです。タクシーの運転手に「街がかわりましたね」と言うと、「駅からグラントワまではね。道は広くなって立派になったけど、人はほとんど歩いちゃおりません」とthe taxi driver said to me.

H24 9/23 益田でしまね文芸フェスタ

2012年のしまね文芸フェスタは益田市のグラントワで開催されます。午前中は「短歌、1300年の魅力」というタイトルで三枝雄昴之先生の講演があります。午後は短歌、俳句、川柳、詩、散文の分科会です。詩部門では自作詩の朗読と合評会を計画しています。

 

誰でも自由に参加できます。島根にいて三枝先生の講演を聴く機会など滅多にありません。きっと得るものがたくさんあることでしょう。楽しみです。22日には益田の島田屋で三枝先生の歓迎会があり出席します。

 

 

 

 

平24 県民文化祭「島根文芸」作品募集

2012年度の島根県民文化祭の一環として実施される文芸部門の作品募集がはじまりました。
7月2日から9月3日までです。入選した作品は「島根文芸」45号に掲載されます。ジュニア-の部もあります。小学生、中学生は募集要項を見たりするチャンスはありませんし、自発的に作品を書くことはまれでしょうから、学校の先生や親など身近な人たちがすすめてもらいたいものです。学校単位で応募するケースも増えています。是非参加してほしい。

 

県外に住んでいる人でも、島根出身者なら応募できます。
毎年表彰式やその後の詩の会に出ますが、詩の応募は30~40作品が最近の例です。昨年度は珍しく高校生や高専の学生さんが上位にたくさん入選されました。

H24 島根文芸協会行事・役員など

2011年3月23日、松江で「平成23年度県民文化祭文芸部門第2回運営委委員会」が開かれました。会則の制定、役員の選任、23年度事業報告、24年度事業計画を審議し承認・決定しました。

24年度は短歌連盟の担当。主な行事と日程は次の通りです。今から予定の中に入れておいてください。

(平成23年の文芸フェスタ前夜祭。阿刀田先生歓迎会の一場面。毎年前日に歓迎会を開いています。阿刀田先生は早稲田の卒業ですが、ぼくの兄は早稲田のロシヤ文学科の卒業。ほぼ同じ年代ですし、ぼくはその5年くらい後。当時の早稲田の話など面白い話しをうかがいました)

1.「しまね文芸フェスタ2012」平成24年9月23日(日)益田市のグラントワで開催予定。
講師は歌人で文芸評論家の三枝昴之先生。演題は未定ですが万葉集など上代文学をテーマにした講演。
午後は部門別交流会。

1.「島根文芸45号」の発刊
募集期間:7月2日~9月3日
審査日: 10月
表彰式は12月初旬に松江で。
俳句、短歌、川柳、詩、散文で多くの作品が集まることを期待しています。中学生や高校生に作品も募集しています。

 

「島根県文芸協会会則」も承認されました。それに基づいて「平成23年度島根県文芸協会理事会」が 開かれまいた。会則については何時か紹介しましょう。

 

平成24年度島根県文芸協会役員  
会長  水津正夫  島根県短歌連盟理事長
副会長  月森遊子 島根県俳句協会会長
理事 竹治ちかし  島根県川柳連盟会長
理事  洲浜昌三  島根県詩人連合理事長
理事  池野 誠  島根県文学連盟会長
理事  安部洋子  島根県短歌連盟事務局長
理事  安部弘範  島根県俳句協会幹事長
理事  川辺 真  島根県詩人連合事務局長
監事  長谷川博子   島根県川柳連盟副会長
監事  寺井敏夫  島根県文学連盟副会長

 

H23 島根県民文化祭文芸作品入賞者表彰式

2010年12月11日、平成23年度の島根県民文化祭文芸作品入賞者の表彰式が松江で行われました。表彰式のあとには例年のように各部門で入賞者との懇談会が開かれました。

 各部門の応募作品数は次の通りです。短歌・一般の部413首 ジュニアの部96首  俳句・一般部611句 ジュニアの部89句  川柳・一般部521句 ジュニアの部582句  詩・一般部55編 ジュニアの部77編 散文・17編 ジュニアの部の応募作品はなし。

今年の大きな傾向はジュニア-の部(中学生まで)で多くの応募者があったことです。これは小・中学校の先生などで熱心な方が生徒に書かせた作品を応募されたからだと考えられます。詩では77編も作品が集まり、びっくりしました。これも熱心な先生の指導の賜です。文芸でも高齢化が進み、若い人たちを育てて行く必要性を文芸フェスタの運営委員会でも何度も話し会いました。その結果ジュニア-の部を設けたわけです。ますます応募者が増えることを期待しています。

入賞者の作品は毎年本になっています。「島根文芸」44号です。図書館などにはあると思います。島根県の国際文化課に問い合わせると購入もできます。

詩の分科会では入賞者に作品を朗読していただき参加者で感想等を述べあい貴重な2時間を過ごしました。島根県詩人連合で出席したのは、撰者の田村のり子さん、閤田真太郎さん、事務局長の川辺真さん、理事長の洲浜昌三の3人でした。

今年の入賞者の大きな特徴は高校生たちが上位に入ったということです。今までもそういうことはありましたが、銀賞や銅賞にたまーに1名か2名に過ぎませんでした。金賞の『僕』を書いた竹下奈緒子さんは出雲商業高校生、銀賞『ハロウイン』の中島千尋さんは松江高専の学生、同じく銀賞『純』の青木茂美さんは出雲商業高校、銅賞『おばあさん』の勝部椋子さんも出雲商業高校。

高齢者の作品はどうしても過去の回想になったり、記録だったり、若々しい感性は欠けています。しかし上記の若い人たちの作品には脆いところはあっても新鮮な感性が息づいています。確かに魅力的です。

小林さんの『としをとると』、持田俶子さんの『まあちゃんの自転車』は若い人にはかけない分厚い時間の堆積から滲み出てくるような哀感がありました。本来なら優劣をつけることはできません。

みなさん、おつかれさまでした。来年もまた参加してください。

 

 

文芸フェスタで作家・阿刀田高氏講演

2011/09/18、松江で島根県民文化祭・「文芸フェスタ2011」が開催されました。前日本ペンクラブ会長の阿刀田高さんが「神話と文学~古事記とギリシャ神話」と題して講演されました。とてもスケールの大きなそして示唆に富む話で感銘を受けました。

 1時間半に渡る講演は見事に構成された世界観で成り立っていますので簡単に概要を書くのは困難ですが、2,3断片を紹介してみます。

古代ギリシャ文明は現代にも通じる素晴らしい文明である。それは人間中心、自由を基本にしていたからだ。ギリシャ神話も豊かなストーリーを持っていて一級品である。それは古代ギリシャが多神教だったので神話も豊かなストリー性が生まれたのである。日本の神話も多神教から生まれた神話である。ギリシャ生まれのラフカディオ・ハーンが日本に興味を持ったのもその点にあった。

神話はどうして生まれたか(物語はどうして生まれたか)。人はどこから来てどこへ行くのか。この疑問を常に抱えている。いとしい人が死んだとき、その人に生きていて欲しかったと願うとき、その人の伝記を書いたり、生きていたらこんなこともしただろう、などと想像力を生かして物語をつくる。そこから物語が生まれたという説もある。

神話には権力者の正当性を訴えるためにできたものが多い。古事記や日本書紀などもそう側面が強い。しかしその中で出雲神話にはストリー性があり豊かさがある。これはギリシャ神話と同じ多神教だからだ。多くの神々が登場し神話特有の寓意性をもっているので、現代にも通じるものがある。出雲神話がもっとたくさん収録されていたら、ギリシャ神話と同様に一級品となっただろう。

小説『闇彦』はギリシャ神話のゼウス、ポセイドン、ハデスが、陸、海、闇(死)の世界を支配したように、コノハナサクヤの三人の子(ホデリ、ホスセリ、ホオリ)→山彦、海彦、闇(死)が世界を支配することを想像して書いた。日本神話には3人の子供が出てくるが、3番目の子のことがほとんど書かれていないので、ギリシャ神話との共通性を考え闇の世界を支配する神として想像した。「死は物語の世界」でもある。

こんな挿話も印象に残りました。「小説を書くのは剣道の試合に似ている。剣道は相手の呼吸を読みながら打ち込む。作家は読者の呼吸を計りながら書く」。

とても刺激になる話しで充実した時間でした。阿刀田さんは良く通る落ち着いた声で淡々と語られるのですが、小説と同じで観客の呼吸を計りながら語られるのでしょう最後まで引きつけられて聞きました。聴衆は約400人くらいでしたが、こんなチャンスは滅多にないのでもったいない気がしました。

17日の夜は「サンラポーむらくも」で歓迎会がありました。早稲田の仏文科出身ということで、昭和30年代の早稲田大学の話しなどをしました。なつかしい人にもたくさん会い、貴重な話しも聞きました。俳句のツキモリさんが大田出身なので、タカキさんとサンニンで和江出身のツキモリサンがやっておられるサンサンへ行きました。

18日の午後は詩の分科会で、自作詩の朗読をしてお互いに感想を述べ合い充実した時間を過ごしました。川辺、閤田、柳楽、栗栖、錦織、田村、有原、肥後さん、それに4人の方、久しぶりに原さん、後半には高橋さんも来られました。みなさまおつかれさまでした。