邑南町品川始さん、シベリア抑留記『凍った大地に』出版

2015年7月に『凍った大地に』がハーベスト出版から発行されました。著者は島根県邑智郡邑南町上亀谷にお住まいの品川 始さん。1923年のお生まれです。本屋さんへ行ったら積んでありましたので購入し、一気に読みました。過酷なシベリヤでの強制労働のことがリアルに描かれています。品川さんは、絵が特意だったので、シベリヤの収容所でも白樺の皮に、ふる里の風景や知人の絵を描いて慰めにしていたそうです。

品川始著「凍った大地に」

本の表紙も品川さんが描かれたものです。文中にもたくさん絵があります。収容所でも新聞の発行やポスターなどで絵を描く必要があり、頼まれて何度も描いたそうです。「芸が身を助く」とはこのことかもしれません。それによって未知の人との交流が生まれ信頼され活動域が広がっていきます。

3年前に田所へ帰って、公民館へ入ったとき、品川さんのシベリア体験記や絵の展示があり、じっくり見て回ったことがあります。新聞にも大きく取り上げられ、切り抜いて保存しています。

今回刊行された本を読むと、品川さんの謙虚で誠実で、実直に黙々と実行される姿が浮かんできます。零下40度、食べるものもほとんどない地獄のような大地で生き延びてこられたのは、その実直な行動力だったのかも知れません。現地のロシア人との心温まる交流も品川さんの人柄が信頼されてのことだと思えます。

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下亀谷は我がふるさとです。写真は上亀谷方面から下亀谷方面をパチリとしたものです。一本道が村を貫いています。右側の石見瓦の家は谷田屋、その背後は上新谷屋、焼けた植田屋は道の向こうに家が見える辺りです。「はじめさん」という名前だけは、子どもの時から、父や母から聞いていましたが、お会いしたことはありません。感想を書いて送ったのですが、「植田屋の三男坊です」と書いておきました。ぼくのことはご存知ないでしょうが、「植田屋」といえばよくご存知のはずです。

貴重な記録を残していただいき、ありがとうございました。

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